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最終更新日時 11/04/22 20 01 水着ごほうびイベント 放課後のみ発生。日中のごほうびイベントの水着版。 場所違いによる別パターンでのごほうびイベントにつき、通常分も含めた発生回数によって内容が変化。 全パターンを見る為には、発生日を迎えるまで、日中でのごほうびイベントを一切発生させてはいけない。 ヒロイン ルート 座標 発生日 備考 絢辻詞 シリアイ 33,49 24日目 1日限定なので、全パターンを見る為には「今朝に戻る」、もしくはセーブ ロードを駆使。 桜井梨穂子 シリアイ 25,20 17~18日目 他の放課後ごほうびイベントも全て合わせて見る為には、七咲シリアイの爆弾に対する予防策が必須となる。 棚町薫 アコガレ 46,23 20~24日目 中多紗江 ナカヨシ 11,25 39日目 1パターンのみなので、日中のごほうびイベントを事前に全て発生させていても構わない。 七咲逢 シリアイ 26,5626,58 18~25日目 制服状態同様、一枚絵はなく、立ち絵のみ。他の放課後ごほうびイベントが4回分あるので、それらも全回収する場合、選んだ分岐によっては日程が厳しい。 森島はるか アコガレ 47,3448,34 16~23日目 コメント +コメント 七咲の水着会話イベント追加しました。だけどイベント差分絵がないので他にもあるのかも。 -- 名無しさん (2009-03-27 03 03 09) 名前 コメント
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水着天国(南極2号) 争点 竜人アスカ、コブラ会こより等、有名ディーラーのキットのツギハギで製作されているとされている ネット上ではほぼクロ確定とされているが、その検証 模型誌やニュースサイトなどのイベントレポでは常連であり、注意喚起が必要ではないか 検証 名前 コメント
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覆面水着団 作中の解説 カイザーローンを襲撃したアビドスの制服を着た謎の生徒達。 番号は実行班が1番~5番、支援班は0の番号が割り当てられている。 0番~4番までは布の目出し帽なのに対し、何故か5番は紙袋となっている。 犯行現場を見たアルはその鮮やかな手口から覆面水着団のファンになった。 水着団という名前ではあるが、現状別に水着を着ていない。 現実の解説・元ネタ 銀行強盗。 雑感・考察 ある意味この世界観を象徴する出来事。 関連項目 アヤネ ホシノ シロコ ノノミ セリカ ヒフミ ※上記は番号順 アル 名前
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登録日:2011/10/13(木) 00 24 48 更新日:2022/11/23 Wed 15 49 05NEW! 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 JKSクオリティ あるあるネタ お前ら これなんて俺? もはや狙ってやっている ゆるゆり キリトリ線 コミック百合姫 ザ・自意識過剰 シリアスな笑い 一迅社 俺ら 倉田嘘 哲学 新手のバトル漫画 毎回割れるメガネ 漫画 百合 百合ーダー 百合指南書 百合男子 百合萌え 福山潤 苦悩 誰得な見開き 顔芸 我思う、ゆえに百合あり。 『コミック百合姫』で倉田嘘先生により連載されていた、葛藤系ヒューマニズム哲学ギャグ漫画。(作者「僕はギャグだと思って描いてません!!!!」) かつては表紙で高らかに「男子禁制」を謳い、漫画内に男性が登場すること自体稀な百合姫にあって唯一の男性を主人公とする漫画である。 そのため明らかに雑誌内で浮いており、読者の中でもそれはもう賛否両論らしい。 第1回は簡単に破棄できるように注意書き付きの袋とじで隔離され、以降も百合男子だけ破り捨てやすいように紙質を下げて他の漫画と区別していた。 …が、製本のとき面倒、コストがマイナスになるなどの理由から、12年1月号より他の漫画と同じ紙質になっている。 賛否の差がでかいため、カラー掲載した次の号はアンチに配慮して原稿のサイズを1/4にして載せるなどしてバランスを取っている。 12年夏にドラマCDとキャラソンが発売するなど、順調に百合姫の人気作品としての地位を確立していた。 その後、一度は連載を終了したものの、すぐに連載再開。 だが単行本が想定していたより売れなかったからという理由で、物語途中で中途半端な形で打ち切りになってしまった。 作者の倉田嘘によると、「最終話までのプロットは既に出来上がっていた」との事。 ◆あらすじ 担当「あらすじ要らないっすよね」 先生「えっ」 担当「えっ」 主人公・花寺啓介は百合をこよなく愛する百合男子。 その関心は二次元にとどまらず日常生活でも百合的シチュエーションを追い求めるが、女性同士の聖域たる百合と男である自分との壁に時に葛藤する。 ◆登場人物 《倉良学園》 啓介が通う高校。名前の由来は百合小説の古典「クララ白書」 花寺啓介 CV.福山潤(ドラマCD) 「『俺の嫁』なんていねぇ!!」 倉良学園2年生。キモ荒々しい我らが百合ーダー。湖上の嵐を一喝で鎮めたキリストのごとき百合ーダー。 外見こそメガネをかけた某新世界の神といった風情のイケメンだが、中身はかなり残念。 美味しい百合的シチュエーションを前にすると我を忘れて暴走しがち。そして最終的にグーで殴られたり中華鍋を投げられたり消火器を投げられたりしてメガネを割られる。割られなかった時は自分で割る。 百合の保護のためには男である自分が女性に近づくことすら認めず、結果自身の魔法使い化すら辞さない苛烈な思想の持ち主。 「男が百合に萌えることは許されるのか?」という命題に苦悩する。 だんだんスーパーサイヤ人みたいになってきた。 名字の由来はマリア様がみてるに登場する男子校「花寺学院」 「我思う、ゆえに百合あり だがそこに我(男)必要なし……」 「百合の女神よ 何故あなたは俺を男子に作り給うたか!!」 「どうして…俺はこんなにも矛盾した存在なのか!」 「どうして 男なのに百合に萌えてしまうんだ!!!」 藤ヶ谷沙織 CV.佐倉綾音 啓介の隣の席に座るクラスメイト。 清楚かつおしゃれな素敵女子。啓介からは「あんな子こそ女の子とくっつけばいいのに」と思われている。 名字の由来は志村貴子の漫画「青い花」より「藤が谷女学院」 宮鳥茜 CV.戸松遥 啓介たちのクラスにやってきた転校生。中学の同級生だった沙織に好意をあらわに接する。 百合のメッカ・女子校帰りのJKS(女子校帰国子女)であり、その百合力の高さで啓介を悶絶させる。 転校の経緯に秘密が…? 名字の由来はストロベリー・パニックの「聖ミアトル女学園」か 松岡涼 CV.茅野愛衣 「一番奥にしまって誰にも触れさせたくないもの それが本当に大切なもの」 啓介のクラスメイトにして天敵。寡黙で感情を表に出さないクール系美人。 沙織に思わせぶりな視線を向けていたところ、百合フィルターで興奮した啓介に迫られ見開き顔面パンチで葬り去る。 おまえノンケかよぉ!?(驚愕) 内面は理屈っぽく饒舌。百合に対しては何やら思うところがあるようだ。 やっぱり好きなんじゃないか(歓喜) 同好の士以外で啓介の性癖を知る唯一の人物でもある。 名字の由来は「青い花」から「松岡女子高等学校」 (百合…男子…!!これが…!!) (ありえない!彼の言動存在全てが) (き も ち わ る い!!) 《百合男子連盟》 コミケの百合オンリーイベントで知り合った百合男子たち。 派閥争いを鶴の一声で収めた啓介を百合ーダーに担いで結成されたが、即解散した。 籠目正二郎 CV.櫻井孝宏 「侵してはならない領域に土足で踏み込んでいるのは 百合ーダーのほうだ!」 成年向け作品が好きな高2。チャラ男風。 転校前の宮鳥に惚れてアタックしていたことがある。 あくまで創作を創作として楽しむタイプであり、現実の女子にまで干渉する啓介の行動を批判する。 ちなみにモデルは担当兼百合姫編集長の中村成太郎氏。 名字の由来は「少女セクト」より「籠目女学校」 鎌倉豊 CV.置鮎龍太郎 ヤングレディース誌好きの大学生。留学先のノースカロライナ州からの参加。 「青い花」の舞台である鎌倉市から。 武蔵野弘之 CV.岡本信彦 少女誌好きの中3。北海道在住。 マリみて作者の母校でリリアンのモデルとなった武蔵野女子学院より。 桜ヶ丘健司 CV.安元洋貴 一般漫画のイチャラブ百合が好きな高1。離島から遠征してきた。 けいおん!の桜ヶ丘高校から。 《その他》 鳳隆(魚屋) 「感じたぜお前の百合魂(ソウル) 俺はお前の中にあったものに名を与えたに過ぎねぇ」 近所の鮮魚店の主人で小学生の啓介に百合姫の前身・百合姉妹を与えこの道に引き込んだ人物。妻子持ち。 性癖を隠して女子と結婚し幸せな家庭を得たが、百合紳士ゆえの宿命かいまだ煮え切らない何かが心に残る。 名字は少女革命ウテナの「鳳学園」 ◆その他 作者の倉田嘘先生は百合姫からデビューした男性漫画家。初単行本「リンケージ」の後にスランプに陥り、百合好き男の葛藤を描く私小説的作品のアイディアを出した。 作者は現役のサラリーマン。今も会社内で漫画を描いている。 ゆるゆりと並ぶ百合姫の話題作であるが、両方百合姫の作風とは異なる異色作でもあるので本誌購入には注意を要する。 作品内でけいおん、ささめきこと、オクターヴなど他誌作品の実名を積極的に出している。 漫画内でゆるゆりをプッシュし過ぎてついにゆるゆりにパロられた。 百合声優佐倉綾音によってこのマンガが天下のNHKの番組、MAGネットで紹介されてしまった。ちなみに漫画は西川兄貴に贈呈されました。 作者は「(コミック百合姫という)少女たちの可憐な世界を土足で踏み荒らすようなもの」として連載に大反対だったが、編集長が 「大丈夫ですよ、そんな簡単に踏み荒らされるほどヤワじゃないですから。むしろ荒れるくらいパワーを持った作品をください」 と返して無理やり載せた。 ゆるゆりのヒット記念で刊行された『コミックなもり』にも寄稿。掲載文を信じるなら勝手に描いたらしい。 啓介『げっ!また百合男子なんか載せやがって!空気読めよ編集部!』 煽り文『先生が勝手に描いたんじゃないですか…依頼してないのに』 二人で追記・修正して 百合ん百合んになってよ!! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] こんなぶっ飛んだ漫画あったんですね・・・・。そもそも「百合姫」自体が私のいる地域の書店に存在しない。 -- 名無しさん (2013-12-09 11 22 29) 極北の雑誌の極北の作品… -- 名無しさん (2013-12-09 11 32 04) 百合は苦手だけどこの作品は楽しめたよ -- 名無しさん (2013-12-09 12 50 50) 花山が一刀みたいな百合の為に追いやられたキャラをどう思うか気になる -- 名無しさん (2014-02-15 19 28 33) 薔薇女子なんていう漫画はないんだろうか? -- 名無しさん (2014-02-15 19 30 52) ↑となりの801ちゃんとかどうだろうか -- 名無しさん (2014-02-21 11 40 17) ↑×2電脳やおい少女もあるぞ!……単行本が2巻で止まってるけどorz -- 名無しさん (2014-02-21 11 45 30) ↑3 節子!それただの腐女子や! -- 名無しさん (2014-08-01 05 30 11) 安元さんがゆるゆりを歌ったのはこの作品が原因 -- 名無しさん (2015-03-28 11 30 28) >ゆるゆりにパロられた kwsk -- 名無しさん (2016-05-04 22 27 22) 最初は百合好き男子あるあるだったけど、途中から勢いだけの内容になっちゃったし、主人公の言動がただウザいだけになっちゃったのがなあ -- 名無しさん (2017-04-23 11 33 00) 性癖名の項目かと思ってたら違ったでござる -- 名無しさん (2017-04-23 11 46 11) 名前 コメント
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autolink FH/SE03-032 カード名:水着の凛 カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:2 コスト:1 トリガー:1 パワー:7000 ソウル:1 特徴:《マスター》?・《水着》? 【自】この能力は1ターンに1回まで発動する。あなたが【起】を使った時、そのターン中、このカードのパワーを+1000。 【自】アンコール[手札のキャラを1枚控え室に置く](このカードが舞台から控え室に置かれた時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、このカードがいた枠にレストして置く) ノーマル:覚悟しなさい、ここから遊びまくるわよー! パラレル:………………馬鹿 レアリティ:C illust.TYPE-MOON 魔法少女カレイドルビーからの擬似チェンジ、水着の桜による回収ができる2/1アンコールキャラ パワーは2/1バニラ-1500であるものの起動能力使用によるパンプ能力により、相手のターン中には助太刀使用で8000アンコールキャラに変化する。 この数値は2/1アンコールバニラ+500と何気に高い。 さらに《マスター》?であるため水着のライダーのパンプ指定に選べ、助太刀で自身を選択すればなんと脅威のパワー10000+アンコールになる。 これを魔法少女カレイドルビーでの早出しによりレベル1でできるのだから相手はたまったものじゃない。 とはいえ、常に助太刀が出来るなんてことは余程の強運を持たないと無理なので過信してはならない。 しかし、レアリティはコモンと入手し易いのでFate/hollow ataraxiaの追加キャラの中でも高水準の性能を備えたキャラと言える。 ・同名カード 番号 カード名 レベル/コスト スペック 色 収録パック LL/W24-089 水着の凛 0/0 3000/1/0 青 ラブライブ! ブースター ・関連カード カード名 レベル/コスト スペック 色 備考 水着の桜 0/0 500/1/0 緑 ・関連ページ 「凛」?
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水着マリン 黄(宝鐘マリン) コスト 1 VP 4 召喚時 あなたの手柄の茶以外の色1種につき誰かの手柄を1つ選び捨てる Illust さなだケイスイ 名前 コメント
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白峰中学(しらみねちゅうがく)は、暁国白峰県縁山にあるミナセらサニーサイドアップのメンバーの通う進学校。
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灘中、東大寺学園中、大阪星光学院中、洛星中、洛南高附属中、甲陽学院中、西大和学園中をはじめとする難関私立中学への合格を目指す受験指導を行う部門です。小学1年生~6年生が対象となります。 https //tyuju.mabuchi.co.jp/
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《中学卒業》 通常罠 フィールド上に存在する「スーパー」、「超」、「グレート」、「ウルトラ」と 名の付くカードをすべて破壊する。 part18-323 作者(2007/08/24 ID XgipMDV30)の他の投稿 part18-329 コメント 名前 コメント
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「トイレに行きたい」 食堂に向かう廊下の途中で、界刺がこんなことを言い出した。 「おっ、丁度目の前にお手洗いが。んじゃ・・・」 「えっ!?ちょ、ちょっと・・・」 ズカズカとトイレに向かおうとする界刺。一厘の驚きの声を無視するくらい、今の界刺はトイレに行きたかった。とそこへ・・・ 「どりゃあああああああぁぁぁぁぁっっっ!!!!!」 「グハッ!!?」 界刺の横っ腹に“常盤台バカルテット”の1人、金束晴天が自身の能力『肉体強化』で強化したタックルをぶち込んだ。 「あら、金束様・・・!!」 真珠院が、己が尊敬する先輩の行動に目を丸くする。かつて、真珠院は金束に助けられたことがあり、その時から金束のことを“金束様”と呼ぶようになっていた。 「むうぅぅ・・・。さ、珊瑚にそう呼ばれると体が痒くなるわ」 「んなことより、さっさと俺の体からどいてくれない?トイレに行きたいんだけど・・・」 珊瑚の言葉に背中が痒くなる金束の下から、界刺の声が聞こえて来る。そんなデリカシーさに欠ける男に対して、金束が当たり前の事実を突き付ける。 「アンタ!!ここが何処だかわかってんのか!?常盤台の学生寮よ!?」 「そんなことは知って・・・」 「それじゃあ、ここが女子生徒しか住んでいない寮ってことはわかるでしょ!?後、ここで働く職員とかも全員女性だから!!」 「・・・あー、そうか。ここには女子用のトイレしか無いのか・・・」 トイレに行きたい余りに、界刺は根本的なことを失念していた。金束の言う通り、職員までもが女性なここ常盤台学生寮には男子用のトイレは無い。 ようやく自分の愚劣な行いを理解したのかと金束は思い、馬乗りになっている界刺から体をどかす。次いで界刺が立ち上がり、日光刺す窓の方へ視線を向け・・・ 「それじゃあ、仕方無い。そこら辺の木や草むらの近くで用を済ませて・・・」 「はああああああああぁぁぁぁぁっっっ!!!!!」 「ガハッ!!?」 そんなことを口走った界刺の鳩尾に“常盤台バカルテット”の1人、銅街世津がショルダータックルをぶち込む。 先程の金束と遜色無いそのタックルは、銅街の超人的な身体能力で実現させたものである。 「な、何ぞ無性にショルダータックルばしとうなったばい」 「グヘッ・・・。な、何だよ。寮のトイレが使えないんだったら、外でするしか・・・」 「界刺得世・・・。あなた、今自分がどんな破廉恥なことを言っているか理解しているの?」 自分の体の上に跨る銅街に文句を言う界刺。そこに、苧環の呆れ果てた言葉が降り掛かって来る。 「破廉恥?苧環・・・君、人間の生理現象を否定すんの?もしかして、君って・・・」 「なっ!?何を想像しているの!?ち、違うわよ!!そうじゃ無くて・・・この学生寮にある全ての物は学園都市の最先端技術が詰まっているの。 あなた・・・そんな価値ある物に・・・物に・・・え、え~と・・・」 「・・・あー、そうか。そういうことね・・・。苧環、もういいよ。わかったから」 「わ、わかればいいのよ!こ、こんなこと改めて言わすんじゃ無いわよ!!」 顔を紅潮させている苧環の説明を受けて、トイレのことしか頭に無かった界刺は理解する。自分の愚かな行動に。 苧環の言う通り、“あの”常盤台の学生寮なのだからそこへ注ぎ込まれた技術等は相当なものだろう。それは、木や草でも同様に。 そんな価値ある物へ自分がしようとした行動。下手をしたら弁償モノである。一介の学生が弁償できる許容範囲を軽く超えていると容易に予測が付いた界刺は、 「そんじゃ、仕方無い。やっぱり、このトイレを使わせて貰うよ」 「はぁ!?ア、アンタ!!」 「得世様!?」 目の前にあるトイレを使うことを決断する。その言葉に金束が憤慨し、真珠院が驚愕する。が、そんな彼女等へ向けて界刺は三言を零した後に、 「大丈夫だよ、お嬢様。このトイレには“誰も居ない”から。それと、俺が用を済ませるまでは他の人をトイレに入らせないように門番しといてね」 躊躇無くトイレへ入って行く。その大胆過ぎる行動に、形製以外の女性陣は開いた口が塞がらない。 「得世様・・・!!」 「ちょ、ちょっと!!アイツ、結局女子トイレに入って行っちゃったわよ!?こ、こんなんアリなの、希雨!?」 「こ、これは予想以上の難敵かもしれないね・・・!!」 「月代!こ、こがんこと月代の常識の中にもあると!?」 「あ、あるわけ無いですよ!!お、男の人ってこんなに無神経だったんだ・・・!!」 「界刺様・・・。私、何だか界刺様のことがわからなくなってきました・・・」 「い、一厘!!な、何なのよ、あの男は!?私達があれだけ言った後に出した結論が、何で女子トイレの使用なのよ!? あなた・・・まさか、あの男のああいう行動を知っていたの!?しかも、それを黙認していたんじゃあ・・・!!」 「わ、私が界刺さんの全てを知ってるわけ無いじゃん!!それに、私だってあんな真似を平然とするなんて知らなかったわよ!!」 界刺の理解し難い行動に対して、トイレ前でギャーギャー騒ぐ女性陣。その中で1人冷静さを保っていたのは、勿論・・・ 「・・・まぁ、バカ界刺も我慢の限界だったようだし、止むを得ないんじゃ無いかな?それに、アホ界刺が言うにはこのトイレには“誰も居ない”んだし」 形製流麗。今居る女性陣の中で界刺と一番付き合いが長い少女が発した言葉に、他の女性陣は一様に目を瞠る。 「形製先輩・・・。な、何であんな男の肩を持つんですか!?や、やっぱり惚れた弱みですか!?」 「ブッ!?ち、違うって!!だって、今日1日はあのダメダメ界刺もこの寮に居るんだし、ずっとトイレに行けないってのは可哀想じゃ無い?」 「そ、それはそうですけど・・・。あっ、そういえば、何であの男はこのトイレに“誰も居ない”ってことがわかるんだろう?」 形製の発言から、金束は今更のように疑問を抱く。何故あの男にそんなことがわかるのか? 「それは、バカ界刺の能力『光学装飾』のおかげよ。光を操作するレベル4の光学系能力。あいつは、その能力でトイレ内に“誰も居ない”ことを確認したんだよ」 「レ、レベル4・・・!あ、あの男ってそんなにレベルの高い奴なのか・・・!!」 金束は衝撃を受ける。あんな女ったらしがレベル4。この常盤台でさえ47人しか居ない、そんな高位能力者の1人。 「君達があいつに何をしようと企んでいるかは・・・まぁわかってるけど」 「「「「(げっ!!??)」」」」 金束、銀鈴、銅街、鉄鞘は知る。自分達の企みは、『分身人形』によって全て形製に筒抜けであることを。 「あいつは・・・君達の手に負えるような男じゃ無いよ?だから・・・そろそろ止めた方がいいと思う。バカ界刺が・・・『その気』になる前に」 金束達を思っての言葉。そんな形製の言葉に、しかし金束は反発する。 「形製先輩には悪いですけど・・・アタシはあんな女ったらしなんかに負けませんよ!? 幾らあの男がアタシよりレベルが高くても、そんなことが諦める理由なんかにならない!」 「晴ちゃん・・・!!」 銀鈴の目に映るのは、己が親友から迸る“負け犬根性”。 「あの男に、目に物を見せてくれるわ!!このアタシの力を!負け犬の底力を!!『レベルが高いから強いんだ』っていう傲慢(プライド)をへし折って・・・」 「意気込んでいる所に水を差すけど、俺ってば『今の』自分の限界は知ってるつもりだから」 「おわっ!?」 「界刺様!?何時の間にトイレから出られたんですか!?」 金束が打倒界刺得世を宣言している最中に、突如界刺が姿を現した。 「ついさっき。何か廊下から大きな声が聞こえるもんだから、不可視状態に身を置いて聞き耳を立てていたんだよ」 「不可視状態・・・。得世様ってそんなこともできるんですね」 「うん、できるよ」 「ア、アンタ!よ、余裕ぶっこいているのも今の内よ!ア、アンタみたいな奴に限って自分の能力に溺れているモンなのよ!!」 「う~ん。確かにそういう奴も居るかもね。だけど、俺には当て嵌まらないかな?」 「ど、どうしてそんなことが言えんのよ!?」 「晴ちゃん!この人に乗せられてるよ!!せ、せっちゃん!!」 「おう、任せとき!おりゃっ!!」 「金束さん!!どうか落ち着いて下さいです!!」 銀鈴、銅街、鉄鞘に押さえ込まれる金束。その様子を眺める界刺は、簡潔ながらも衝撃的な言葉を発する。 “常盤台バカルテット”だけでは無い、この場に居る女性陣全てにとって衝撃的な言の葉を。 「だって、もし俺が君の言う『レベルが高いから強いんだ』ってだけの人間だったら・・・昨日の夜に俺は間違い無く殺されてるよ」 「A定食・・・3万円!?た、高っけぇ・・・。俺、こんなん頼めないよ」 「・・・でも、これが一番安いんですよ?」 「マジかよ、リンリン?ど、どうしよ・・・。やっぱ朝食抜きか・・・?」 ここは、学生寮の一角にある食堂。寮に住む常盤台生は、ここで食事を取ることになっている。 夏休みであるにも関わらず、朝食の時刻は午前7時30分という早い時間である。これも、生活リズムを整える目的からか。 「値段は気にしなくていいから、好きなのを頼みなさい。お金は私が払うから」 「苧環・・・」 「苧環様・・・!!」 「言ったでしょう?今回のことは私にも責任がある。その責任分くらい・・・私がどうとでもしてみせるわ」 学食なのに豪華絢爛なのは、さすがは常盤台と言った所か。常盤台生の中に1人紛れている界刺は、苧環の厚意に甘え一番安いA定食を頼むことにした。 「しかしまぁ・・・俺ってば場違い感バリバリなんだけど。何か、周りからの視線もすごいし・・・」 「あら、得世様はこういう場に居られる経験は余り無いのですか?」 「俺は男子校だからね。しかも、男からの視線なんて一々気にしないし。さすがに、こんだけの女性から見られるって経験は初めてだな」 「それに、今のバカ界刺って着ている制服のあちこちが焼け焦げているからね。こんな男性の格好を見るなんてことが初めての娘も多いんじゃ無い?」 「そもそも、この常盤台学生寮に男性の方が居ること自体が異常ですからね。 その上、これから一緒に朝食を食べるんですから、界刺さんが注目されるのも仕方無いんじゃないですか?」 「「「「・・・・・・」」」」 受け取った定食を手に持ち、界刺は真珠院の案内の下、円形テーブルの一角に腰をつける。 (ちなみに、この寮の住人では無い銀鈴、銅街も一緒に。もちろん、減点覚悟である) そこは、食堂の中心に位置する場所。周囲のお嬢様から一身に視線を浴びる場所であった。 「さ、珊瑚ちゃん。も、もう少し角の方とかが良かったんじゃあ・・・」 「あら、これは得世様が淑女の方々の視線に慣れて頂くために考えた私なりの配慮ですが。・・・お気に召されませんでしたか?」 「い、いや・・・」 真珠院の配慮は、今の界刺にとっては中々にキツイ。唯でさえ部外者である自分が、衆目の視線を浴びるというのは精神的にキツイ。 「ところでさ、バカ界刺。さっきの話だけど・・・」 「お前等に話すつもりは無ぇよ。・・・言っとくが、『分身人形』での読心も無しな。そんなことをしたら・・・形製、俺はお前を絶対に許さねぇぞ?」 「ッッッ!!!」 先程のやり取りで気になっていた件について、思い切って切り出した形製の言葉を一刀両断する界刺。 「あ~、でも真刺や苧環が知っている範囲でなら当人達に聞けばいい。そこまでは、俺もとやかく言わねぇよ。だが、俺の記憶に手ぇ出したら・・・潰すぞ?」 「・・・・・・わかった」 「「「「「「「「・・・!!!」」」」」」」」 脅しも入った界刺の真剣な言葉に、形製は承諾するしか無かった。このやり取りを見ていた他の女性陣は、いとも簡単に形製を屈服させる界刺を少しばかり畏怖する。 「(形製さんが、こうもあっさり・・・!!)」 「(界刺様・・・。こ、恐いです!!)」 「(これが・・・私が乗り越えるべき男!!)」 「(得世様・・・。これは、私も生半可な気持ちで臨むわけには行かないようですね・・・!!)」 「(・・・で、でも、アタシは絶対に負けないんだから!!)」 「(『昨日の夜に俺は殺されてる』。・・・どういう意味なんだろう?つまり、この人の身に何かあったってことだよね?)」 「(こやつはヤバか・・・。あたいの勘がそう言っちょ・・・あぁ、今日も佃煮定食ばうまかぁ・・・)」 「(な、何かこの人からは危険な香りがプンプンしますです・・・!!)」 各々が色んな思考に及ぶ間にも点呼は進み、いよいよ食事の時間と相成った。 「へぇ、中々イケるね。思ったより家庭的な味だ」 「そうでしょ?私も、このA定食がお気に入りなんです!」 「アホ界刺に、家庭の味がわかったりするのか?」 「一応自分で作ったりとかはするし。偶にだけど」 「か、界刺様が作る料理ってどんな料理なんですか!?中華料理ですか!?それともフランス料理とかですか!?」 「いや、そんなんじゃ無くて・・・。肉じゃがとかカレーライスとか」 「肉じゃが!?佃煮ばえーけど肉じゃがもうまかぁ・・・」 「おっ!君もそう思う?味の趣味が合うね」 「世津!何気安く話してんのよ!この男はアタシ達が倒すべき敵だよ!!」 「あっ・・・。すまんったい、晴天」 「その隙に・・・お嬢様のエビフライいただき!!」 「あああぁぁ!!!アタシが取って置いたエビフライがあああぁぁっっ!!!」 「余所見する方が悪い。しかし、意外に暑いね。ちょっと、席同士の幅が狭くない?もう少し幅を・・・」 ブシャッ!! 「へっ・・・?」 界刺の顔に掛かったのは、水。それを行ったのは、金束の横に座る銀鈴。彼女は微笑んだまま席を立ち、界刺に近付き、その濡れた体に触れる。そして・・・ ピキピキピキ!!! 「おおおおおおぉぉぉっっ!!!!」 「ンフフ~♪そんなに暑いのでしたら、私の『氷結籠手』で涼しくしてあげます~。それと・・・晴ちゃんのおかずを盗み食いした罰も一緒に乗せて。ンフフ~♪」 「な、何この娘!?微笑みながらやってることはドキツイんですけどおおおぉぉぉっっ!!!!」 「(希雨がキレてる・・・!!ガクブルっ!!)」 金束が怯えていることに気付かず、界刺の髪や顔に付着した水分を氷漬けにしていく銀鈴。 彼女の能力『氷結籠手』は、濡れている物体に触れることで物体ごと水分を氷結させることができる。 銀鈴は、通常自衛目的以外ではこの能力を他人に対して余り使わないのだが、1つだけ例外があるのである。それは・・・金束晴天を筆頭に己が友達を傷付ける者。 「も、もう結構です!!涼しさは満喫したんでもういいです!!!」 「そうですか~。ンフフ~♪」 「き、聞いてる、お嬢様?お兄さんは、もういいって言ってるんだよ?」 「聞こえてますよ~。ンフフ~♪ンフフ~♪」 「・・・・・・チッ(ボソッ)」 ピカッ!! 「キャッ!?」 何時まで経っても銀鈴が止めないので、界刺は一瞬だけ閃光を煌かせる。閃光に怯んだ銀鈴は、界刺から手を離してしまう。 「ふぅ・・・」 「希雨!だ、大丈夫!?」 「・・・大丈夫だよ、晴ちゃん。ちょっと眩しかっただけだから」 「・・・俺の方がよっぽど大丈夫じゃ無いけどな。へ、へへ、へ~くしょっん!!」 閃光に少しだけ目をやられた銀鈴の様子を心配する金束。対して銀鈴に顔や髪の半分くらいを氷結状態にさせられた界刺は、大きなくしゃみをする。 「界刺さん!は、早くその状態を何とかしないと!!」 「いや、別にいいよ、リンちゃん。こんなの、どうとでもできるから」 「・・・それじゃ~もう少し涼しさを満喫してみます?」 「・・・君って顔に似合わず腹黒いね」 銀鈴の冷たい微笑みと言葉を軽く受け流し、界刺は目の前の食事に対して溜息を吐く。 「・・・こんな所かな」 「界刺様!もういいんですか!?」 「ちょっと食欲がねぇ・・・。最近暑いし、今はこんな(氷結)状態だし」 月ノ宮の言葉に返答する界刺。彼は、頼んだA定食の7割方を食べた当りで箸を置いた。 「奢って貰った苧環には悪いけど、勘弁してくれね?」 「そ、それはいいんだけど・・・」 「ん?何?何か問だ・・・」 「あらあら、まだ朝食が残ってらっしゃるじゃありませんか」 「あ、本当だ。結構残ってるね」 何故か言い淀む苧環に?マークが浮かぶ界刺の後方から、2人の少女の声が聞こえて来た。 「ん?君達は・・・?」 「あらあら、これは申し遅れました。わたくし、津久井浜憐憫と申します。常盤台中学に通う3年生ですの」 「私も同じ常盤台の3年生で、菜水晶子って言います。あなたが形製さんの・・・彼氏さん?」 「いや、違う」 少しカールした茶髪のロングヘアーの少女―津久井浜憐憫―と、赤茶色のパーマがかったセミディの少女―菜水晶子―がそれぞれ界刺の肩に手を置く。 その力が意外にも強いので、不審がった界刺は質問する。 「え、え~と、何でその津久井浜と菜水が俺の肩を押さえてるのかな?」 「あらあら、いきなり殿方から呼び捨てにされるとは思いませんでした。ねぇ、菜水さん?」 「そうですねぇ。しかも、よりにもよってこんなおいしい食事を出してくれる常盤台学生寮の朝食を残そうとしている男にですもんね・・・。心外だね、こりゃ」 津久井浜の言葉に反応する菜水。彼女は、同年代以上の人間に対して普段は丁寧且つ敬語で会話するタイプなのだが、 驚いたり、パニックになったり、ムカついたりすると途端に呼び捨てしたり地の言葉が敬語に混ざってしまうのである。 「あ、あぁ、これか・・・。ちょっとね、最近食欲が無い・・・」 「あらあら、世界にはパン1つまともに食べることができない場所もあるというのに、何という贅沢な理由でしょ?」 「そもそも、食事を残すこと自体が有り得ないですね。この食材の1つ1つを、一体どれだけの手間と労力を懸けて作っているんだと説教したくなりますね。いや、する!」 「あ、あのぅ・・・」 「あらあら、まだ何か言い足りないんですの?あれだけ食事に対する冒涜を無神経に語っていた殿方の減らず口というのは、底が見えませんねぇ。オホホ」 「冒涜って・・・。無神経って・・・。」 「あなたには、『食』というものについての知識が皆無です!それに・・・私は食物を粗末にする輩が大嫌いです!!鉄拳制裁も辞さない勢いです!!!」 「(・・・この娘達からは、何か仮屋様と同種の匂いがする)」 津久井浜と菜水の論説に、自分の仲間を連想する界刺。ようするに、『全部食え!』と言いたいわけだ。 だが、今の界刺には食欲が湧かない。昨日の戦闘の影響もあるし、銀鈴の氷結責めも無関係とは言い難い。そんな悩む界刺の後ろから、 「あらあら、鉄拳制裁ですか。菜水さんって意外と過激でいらっしゃるのね。それじゃあ・・・わたくしは・・・」 津久井浜がもう一方の手を伸ばして来る。長手袋を嵌めた手で掴むのは、界刺が飲んでいたお茶のカップ。見るからに気品漂うティーカップを手に持ち・・・ ジュッ!!! 「なっ!!?」 「『発熱爆弾』を用いた制裁というのも一興かもしれませんわね。オホホ」 「(無理無理!!そ、そんなの喰らったら、俺死んじゃう!!!)」 一瞬でティーカップが熔解する。津久井浜の能力『発熱爆弾』は、触れた部分を4千度以上に発熱させることができる。 発熱により急激に体積が膨張した物体は爆発するという、恐ろしい能力を持つ津久井浜の手が界刺の肩を掴んでいるのだ。 「あらあら、それでどうなされますか、界刺さん?わたくしの『発熱爆弾』による制裁を喰らうか、菜水さんの鉄拳制裁を喰らうか・・・」 「ちなみに、私の拳は鋼の如く硬いから!(嘘)食物を粗末にした相手には、私の身体能力は何倍にも膨れ上がるのだ!!(大嘘)」 「何、その設定!?それに、どっちにしたって俺が酷い目に遭うのには変わり無いじゃん!?」 「(はぁ・・・。やっぱり捕まったわね。この『食物奉行 グルメマネージャー 』に睨まれたら最後、ご飯粒の1粒まで食べ尽くさないと解放されることは無い)」 苧環は、『食物奉行』に見事捕らえられた界刺に哀れみの視線を送る。 かくいう自分もかつてこの両者に捕まり、両者の監視の下ゼェゼェ言いながら何とか完食した経験があるので他人事では無かった。 これは、この寮に住む生徒全員に周知の事実であり、食事が終わった周囲の生徒達も界刺がこの危機をどう乗り越えるのか興味津々なようで・・・ 「フィーサ様!あの殿方は、一体どういう手法を用いてこの危機を乗り越えるのでしょうか!?遠藤にはちょっと思い付かないです!!」 「そうね・・・。あの男がどういう能力を持っているかで選択肢は変わるでしょうね」 「フム。近衛さんの言う通り、あの『食物奉行』の魔の手からどう逃れるのでしょう・・・。 いや待て・・・津久井浜様の『発熱爆弾』があの殿方に炸裂する可能性も否定できない・・・だが!!ブツブツ・・・」 「あ、あの男の方・・・何だか顔色が優れないみたい・・・。で、でも私は・・・」 という具合に野次馬のように周囲から界刺達を眺めている始末である。 この行動は、寮監による減点対象(ちなみに、食堂で能力を使った銀鈴と津久井浜は減点である)になりかねないが、 異性が学生寮に居ること自体がまず無いのだ。こんな機会は今後起こり得ないかもしれない。それ等誘惑に、常盤台生は耐え切れないのである。 「はぁ・・・。しゃーねーな。わかった、わかりました!完食すりゃいいんだろ、完食すりゃあ!!」 「あらあら、最初からそう言って下さればこんな忠告に及ぶ必要も無かったですのに。フフフ」 「でもさ。あなた、どうやって完食するの?食欲湧かないんでしょ?嘘を吐くつもりなら、承知しないですよ!!」 「するわけねーだろ!!こちとら、命が懸かってるんだからよ!バカ形製!サニー!」 「ん?何?」 「は、はい!!」 菜水の言葉に碌に取り合わず、界刺は形製と月ノ宮にある指示を出す。 「バカ形製。お前のコレクションを俺に貸せ。服の種類はお前に任せる。サニー。君はタオルを10枚とビニール袋を2つ用意してくれ」 「・・・成程。わかったよ、バカ界刺。すぐに持って来る」 「わかりました!!タオル10枚、ビニール袋2つですね、界刺様!!」 界刺の指示を受けて、形製と月ノ宮は野次馬をかけ分けてそれぞれに宛がわれた役目をこなす。 「界刺さん?一体何をするつもりなんですか?」 「大したことじゃ無いよ、リンリン。あっ、それと君等はこのテーブルから離れるんだ。俺の能力に巻き込むわけには行かないから」 「能力?『光学装飾』を使って、何をするつもりなの?」 「まぁ、それは見てのお楽しみだよ、苧環。いや、お楽しみっつーより見ていても全然楽しく無いと思うけどな。ほら、他の皆も早く離れるんだ」 界刺の指示を受けて、一厘、苧環、真珠院、金束、銀鈴、銅街、鉄鞘はテーブルから離れる。 「界刺様!!タオルとビニール袋持って来ましたよ!!」 「とりあえず、適当に見繕ったから。後で、ちゃんとクリーニングして返してよ」 「サンキュ、サニー!形製!」 月ノ宮と形製に礼を言った界刺は、自身も定食を置くテーブルから少し離れ、月ノ宮から渡されたタオルの内半分を床に敷く。 座っている椅子の上にもタオルを敷き、手にはタオルを1枚持ち、残りのタオルと形製が持って来た衣服は近くの床に置く。これで、準備は整った。 「さ~て。そんじゃ、やりますか!言っとくけど、見ていて面白いもんじゃ無いからな。 どっちかって言うと、つまらない部類に入る作業だからな。俺としては、さっさとここから立ち去ることをオススメするよ?」 一応界刺は周囲の常盤台生に忠告するが・・・誰も立ち去る気配は無い。 この短い準備期間の間に、界刺が光を操る能力者であることは瞬く間に全員へ広まった。 光を操ることで、本当に食事を完食できるのか?界刺へ視線を送る少女達の興味は、そこに尽きた。 「・・・物好きだこと。まぁ、いいか。さっさと始めよっと」 立ち去る気配の無い少女達に呆れながら、界刺は己が能力『光学装飾』を発動する。 ジワ~ 数分も経たずに、界刺の体からおびただしい程の汗が浮かび上がり、地面へと流れ落ちる。 氷結状態になっていた部分は溶け、体中が紅潮し、熱気さえ漂う中界刺は1人目を瞑りじっと耐えている。 「あ、あれは・・・?」 真珠院が、界刺の様子の変化を見て思わず疑問を口にする。それに答えるのは、またしても・・・ 「あれは、『光学装飾』による疲労物質の排出作業だよ、真珠院?」 界刺と同じ『シンボル』の一員である形製。彼女の言葉は、『光学装飾』が操作できる光の種類を思い描くヒントになった。 「そうか・・・。“遠赤外線”・・・ね、形製?」 「ご名答。さすがは苧環。電磁波関係に詳しい君なら、真っ先に気が付くと思っていたよ」 苧環の回答に、満足気に笑みを浮かべる形製。 『光学装飾』で操作できる光は、何も可視光線だけでは無い。界刺は、別種の光である赤外線も操作できるのだ。 この赤外線の中でも、特に“遠赤外線”と呼ばれる光を界刺は己の疲労回復等に応用していた。 「苧環。“遠赤外線”って・・・」 「そんなに詳しくないって顔ね。いい、一厘?“遠赤外線”は、私達人間も放っている赤外線の一種なの。 そして、外部から浴びる“遠赤外線”と私達の“遠赤外線”とが触れ合うと、体内である共鳴振動を引き起こすの。私達の体の大半は・・・何でできてるの?」 「・・・水!!」 「そう。この共鳴振動によって体内の水分子が活発に働くようになる。その作用は、血液の巡りを良くしたり新陳代謝の活発化等多岐に渡るわ。 界刺は、その共鳴振動を利用して体内に堪っている毒素や疲労物質を、汗と共に体外へ排出しているのよ。 あれなら、体に害無くカロリーとかを消費できるわね。・・・ちょっと羨ましいかも(ボソッ)」 苧環の言う通り、界刺は現在進行中で体内に堪っている疲労物質等を除去している。 今までの活動―学業と平行して朝練や『シンボル』の活動、少し前は春咲に付き合う形での救済委員活動―に界刺が耐え切れたのは、ひとえにこの応用あってのことである。 疲労回復の他にもストレスの解消や血圧の調整等に活用し、界刺は己の体調管理に努めていた。 (ちなみに、銀鈴の『氷結籠手』で氷漬けになっていた皮膚部分に予め“遠赤外線”を照射することで、凍傷や体温の低下を防いでいた) 「『光学装飾』って、赤外線も操作できるんですか?」 「うん。そうだよ、一厘。というか、君だって見てる筈だよ? 何時かの成瀬台のグラウンドで行われたゲームで、最後まで残った界刺以外の人間が界刺の発生させた赤外線輻射による熱で動きが怯んだのを」 「あっ・・・そういえば。あれって赤外線によるものだったんですね?」 「うん。まぁ、それ以外にも小細工はしたみたいだけどね。言っとくけど、あれは『光学装飾』の一部にしか過ぎない。 応用力で言えば、界刺は本当に並外れた力を持っているんだよ。その制御力も、使うタイミングを見極める力もずば抜けている」 「界刺様・・・!!すごいです!!」 「得世様・・・!!私は、あなたが羨ましい・・・!!界刺様の能力に比べて、私の能力は・・・能力は・・・!!」 「界刺・・・得世!!」 「『どうとでもできる』。あの言葉は本当だったんだね・・・!!」 「す、すごか・・・!!あるなら寮監から逃げ切れっと・・・?」 「光を操ると言っても、色んな種類があるのですね・・・ハッ!い、いけないです!感嘆してる場合じゃ無いです!!」 周囲の女性陣が色々言い合っている間に、界刺は手に持ったタオルで汗を拭いていく。そして、『光学装飾』発動から約15分後・・・ 「ふぅ・・・。まぁ、こんな所かな」 界刺は、“遠赤外線”による疲労回復作業を終了する。 「うわー、汗でビチョビチョ。乾燥させるにも、ここじゃあな・・・。制服は新調するからいいとして、パンツとかは・・・」 「大丈夫だよ、バカ界刺。一応男物のパンツも用意してるから」 「形製。お前・・・」 「ち、違うよ!!前にあたしの服を貸したことがあったでしょ?その時に、もしかしたら今後必要になるかもって思って一応買って置いたんだよ!!」 「そうなのか。サンキュ!」 「わ、わかったらいいんだよ!」 「んじゃま、このまま着替えるってのもアレなんで、ちょっと消えるよ!」 傍から聞いていると痴話喧嘩にも聞こえるやり取りの後に、界刺は自身から半径1mに限って不可視状態にした。 「き、消えた・・・」 「・・・大した応用力だこと」 「・・・まさか、私達の着替えとかを覗かれる危険性が!!いやしかし!!・・・ブツブツ」 「な、何だか男の方の姿が見えなくなるだけで、心が落ち着きます。でも・・・何でしょう、このガッカリ感は」 野次馬となっている生徒間から漏れ出た声を耳にしながら、界刺は着替えを手早く済ませ、不可視状態を解除する。 「う~ん。体もスッキリしたし。これなら完食も問題無くこなせそうだ」 界刺の手には、自分の汗で濡れてしまった制服を詰めたビニール袋と、汗を拭いたタオルを詰めたビニール袋があった。 タオルは学生寮に返して洗濯してもらい、制服は自分が住む学生寮に持ち帰るつもりだ。 「サニー!後で、このタオルを借りて来た場所に案内してよ。さすがに、常盤台学生寮(ここ)の備品を俺が持って帰るわけには行かないからさ」 「わ、わかりました!!」 「それにしても、ああいうのは人前でやるモンじゃ無いな。1人でコソコソやってこそ意味があるな、うん」 月ノ宮に声を掛けた後、界刺はテーブルに席を戻す。残している定食を完食するためだ 「あれ・・・?定食から湯気が立っている?」 今更のように一厘が気付くが、それに気付いた最初の人間も一厘が最初であった。冷房が効いている中、普通は冷め切っている筈なのに。 そして、一厘は気付く。気付いて、定食を“温めていた”張本人へ視線を向ける。 「うん?あぁ、これ?さっき赤外線を照射していた時に、ついでに暖めておいたんだよ。 俺の『光学装飾』は、制御範囲内なら何処でも、そんでもって複数個所にこういう現象を同時発生させることができるから」 「そ、そんなことも・・・!?」 「うん」 一厘は、心の底から驚愕する。それは、周囲に居る常盤台生全員も同様であったが。 自分は、己の能力をどう活かすのか、どういう応用を模索するのかを必死になって考えている最中なのに、 目の前の男はそんな地点は遥か昔に通り過ぎましたとでも言うかのように、自分の応用力を気軽に明かす。これが・・・これでも『光学装飾』の一部。 何回か同行した時も、界刺が持つ能力における熟練度の高さには目を瞠らされたが、今回は心底痛感させられる。 「最近は、俺も色々考えるようになってね。これでも、新しい『光学装飾』の応用方法を色々模索してるんだよ?」 「新しい応用方法ですか!?」 「そう。今は主に攻撃面を中心に模索している。その内の幾つかはもう実戦で使えるレベルまでなったし。 今はまだ完全に会得していないけど、“超近赤外線”というのにも取り組んでいるよ。もちろん、攻撃面に限らず色々と。 少し前に、俺とはタイプが違う光学系能力者と知り合ったこともあって、そいつとのやり取りの中で色んな発見が出てくる。 今まで自分が気付かなかった新しい面とかが見えるようになって、結構楽しいんだよな、これが」 「(界刺さん・・・!!本格的に、私をぶっちぎりに掛かってるんですね!!)」 一厘は、かつて『必ず追い付いてみせる』という主旨の発言を界刺に対して放っている。何時になるかはわからない。だけど、何時か必ず追い付いてみせると。 だが、現状ではその距離は縮まる所か一方的に離されている状態だ。それは、言われてみれば当然のこと。 何せ、目の前の男だって立ち止まっているワケがないのだ。自分のペースで走っているのだ。 そして・・・一厘のペースは界刺のペースに大きく遅れているのだ。その事実を認識した一厘は、悔しさの余り拳を痛い程に握り込む。 「よしっ!そんじゃあ、とっとと平らげちまうか!さっきとは違って食欲も湧いてるし、数分で片付けてやるぜ!」 「(焦ったら駄目・・・!そんなことをしたら、前の二の舞になる。むしろ、ペースが乱れて失速しかねない。 でも・・・何とかしないと!!このままじゃあ、一生追い付けない!!)」 残っているおかずやご飯を猛然と口に運ぶ界刺を見ながら、一厘は逸る気持ちを抑え、しかし頭を悩ませる。 この短期間の内に、界刺は自分の能力を更に昇華させている。だったら、自分も負けていられない。 「(今日1日界刺さんと一緒に居られるこの機会を・・・何とか活かさないと!!今私が関わっている“あの件”にも活かせる何かを掴まないと!!) 少女は決意する。自分が目指すべき能力の在り方を。それは、誰のためでも無い。自分自身のために。 continue!!